漁港は色々な場所を攻めることができます。その中でも私が見る限りだとあまり釣り人が多くない印象があるのが船着き場のスロープ周り。堤防の先端や、常夜灯周りに先行者が居て入れない時に仕方なく行く印象。足元に近づくにつれてカケアゲリになっているので油断をするとすぐに根掛ってしまいますが、意外と大きめの魚が寄ってくるポイントでもあります。そんなスロープ周りの注意点・特徴と私なりの攻め方です。
真っ昼間の釣りはほとんどしないので、夕マヅメ~夜~朝マヅメ釣行経験からの情報です。
時間帯はマヅメと夜。釣り方はセイゴがベースになっています。
スロープの特徴
- 岸に近づくほど水深は浅い
- 船を上げるための板がある
- 足元が滑りやすい
- 足元に波が来る
- ロープや漁具が丘や海の中にあったりする
船着き場スロープでは、海苔などの海藻が濡れていてかなり滑りやすくなっています。
おまけにフジツボなど硬いもの等もあったりするので、転んだ際には痛い思いをしますので注意して歩きます。船・ロープ・漁具などもあるので仕掛けを引っ掛けないように周りをよく確認してから釣りをしましょう。
小魚が岸際に寄せられる
写真の様に、遊泳力の弱い小魚が波に押されて岸際に寄せられてきます。この小魚を追って、フィッシュイーターである魚も寄ってきます。
スロープで狙える魚とタイミング
私が行く関東圏の辺りで釣れた魚は以下です。
他にもいるかもしれませんので、釣りに行って自分の目で確かめてみてください。
- セイゴ(シーバスの子供)
- ショゴ(カンパチの子供)
- アジ
- メバル
- カサゴ
- フグ
- ボラ
- マヅメ前後
- 上げてくる潮
- 小魚がいる時
- 干潮
- 潮が止まった時
- 小魚が全く見受けられない時
- 潮が入れ替わりにくい場所
タイミング次第ではショゴなんかも釣れます(これは外房)。30cmに満たない魚体でも青物ですのでグイグイいい引きを楽しませてくれました。セイゴは小さくてもシーバスですのでエラ洗いをしてルアーを外されます。
マヅメと潮の上げのタイミングが重なると、いい雰囲気になることが多い印象です。
漁港内の潮が入れ替わり、水がきれいになって小魚が居たら良い確率で何か釣れるはず。
もし探ってもダメだった場合やアタリが無くなってきた場合は、違うところへ移動しましょう。漁港は探る場所がいっぱいありますので、歩いて魚が居るところを探った方が効率がいいです。
スロープの狙う場所
①潮の先・ヨレ
②明暗の境目
③明るい場所/暗い場所
④足元
とある漁港の場合の例です。
私は夜釣りがメインなので夜の時の場合です。
変化のある場所に魚が来るのでその部分を狙います。
④の足元ですが、とても浅く根掛りしやすい場所でもあります。意外とここまで魚は追ってきますので最後まで丁寧にルアーを引いてくると面白いです。
主な狙いの部分は上記の通りです。これに加えて小魚の動きやボイル・ライズ音を逃さないようにして、見つけたならそこへルアーを通す事もします。定石だけでなく、観察のほうが大事な場合も多々あります。
攻め方-基本は表層-
私はスロープからの釣りで、ボトムを取ることはほとんどありません。
少しミスすると根掛ってばかりで釣りになりません。そもそも浅いので、表層数cmを通せば魚から丸見えです。やる気のある魚を取っていきましょう!
※攻め方は、25cm程度のセイゴをベースにしています。
※時間帯はマヅメ・夜です。
- ドラグは緩めにして投げて表層を引く
- アワセ→巻アワセ(ロッドアワセはあまりしない)
- ドラグ調整(魚が逃げる余裕を残した設定)
- やり取り(水面を割らせない)
- 抜き上げ
表層を引くので、強引なやり取りでは魚が水面を割って出た時に頭振りで針が外れることがあるので注意。
これは表層攻めで、セイゴやアジ等水面を割って出た時に頭や体をめちゃめちゃ振るような魚の時の手順です。私はフックの返しを潰して使用しており、水面割の状況に弱いのでこんな感じでやっています。
焦らないで、引きを楽しみつつじっくりやると取れる確率が上がります。
タックル
ライトタックルで気軽にやりましょう。
私の場合、ルアーはメバル用のジグヘッド+ワームをメインで使用します。
- ロッド :アジ・メバル等のライトのロッド
- リール :1000-2500番のリールなら何でも
- ライン :PEライン0.3-0.4号 エステル0.3-0.4号 ナイロン・フロロ0.8号
- リーダー:ナイロン・フロロ0.8-1号(3-5lb)
- ルアー :1-3g程のジグヘッド + 2インチ前後のワーム
軽量ミノーやプラグ
ドラグは緩めにして投げて表層を引く
ドラグを緩めにしてルアーを投げます。
着水したら、手元の糸がリールに絡まないように注意して直ぐに巻き始めます。
巻き始めると同時にロッドを立て気味にすると、ルアーが浮きやすくなる為、表層を巻きやすくなります。特に手前のスロープ部分では、ルアーが沈むとすぐに根掛ってしまうのでこれを防ぐのにとっても効果的です。
ロッドを立てた状態で魚を掛けるので、魚がルアーを咥えた時にロッドの反発力を感じやすい筈と予想します。糸を出せる状態にしてやりルアーを吐き出されるのを防いで、咥えている時間を少しでも長くさせる事を狙ってます。
アワセ
表層を引いてアタリがあり重みが乗ったらアワセます。
アワセは基本巻合わせです。リールをバーーっと早巻きして魚にフックさせます。この時にロッドを前方向へ送ってやり、ロッドと魚の角度を少し多く取ります。(およそ120°くらい)
竿先に重みが乗っていれば、ほとんどバレません。
表層ではあまりしないロッドでのアワセ
私は、ロッドを煽ってのアワセは、表層巻の時はあまりやりません。
図のように、アワセた時に魚が水面を飛び出てしまい頭を振って針が外れたり、針がかからなかった時に自分の方向へ飛んできて危ないからです。
もし、ロッド合わせをする場合はほんの少しロッドを引く程度です。
ラインがしっかり張っていればそれだけでフッキングします。
私は巻合わせをおすすめします。
ドラグ調整
巻合わせをしたら竿先に重さを感じながら角度を120°くらいにしてドラグを締め込んでいきます。120°くらいにするのはロッドの反発力を抑えるためです。ロッドを立てた状態(反発力が強い状態)でドラグを締め込んでいって魚が急に逃げ場を失うと、水面を割って飛び出し頭を振りバレやすくなります。
ドラグの設定は、魚が走った時に糸が出て逃げる余地を持たせた設定にします。今逃げていく魚の引きの重さを感じながら、どの程度なら良いかを調整します。
この調整で、魚が水面を割って出てくることを大体防げます。横にも下にも逃げ場がなくなった時に上へ飛び出してきます。
やり取り
ドラグの設定ができたら、巻きながらロッドと魚の角度を90°くらいにして、竿の反発力を使いながら魚を寄せます。魚が近くになるにつれてロッドを魚方向へ倒す操作をします。ロッドを倒していかないと魚との角度がだんだん90°よりも小さくなり、ロッドの反発力が大きくなりすぎると不意の魚の動きに追随できずにバレる原因になります。
もし、魚が浮きすぎて水面を割りそうな時は、一旦逃してやることも戦略のうちです。
逃してあげて少し沈んだところをまた寄せてくれば、浮きすぎを防止できます。
また魚が小さかったり、逃げるのをあきらめている場合は一気に寄せてしまいます。
抜き上げ
十分近くまで寄せることができたら抜き上げて魚をキャッチします。
魚体が大きくて抜き上げられない場合は、そのままスロープに乗っけちゃいましょう。
その場合は魚がかなり傷つくと思われるので、私は持ち帰って食べるようにしています。
また、重くて大きい魚を抜き上げると、ティップが折れることがありますので、デカイと思ったらスロープに乗せるか網を使った方がいいです。
時々シロサギが釣り上げた魚を狙って飛んでくるので気をつけ下さい。
スロープでの釣りまとめ
スロープでの釣りは、小魚を食べるために寄ってきたやる気のある魚が主なターゲットになるので、タイミングを掴めば楽しい釣りになります。
ここで書いたものは、セイゴのやり取りがベースになっています。強引なやり取りはバラシの原因になるので、引き味を楽しみながら1匹ずつ確実にとっていきます。カサゴやメバルなどのロックフィッシュが掛かった場合だと一気に根に走っていくので、本来は一気に抜き上げるのが基本ですが、スロープの上だった場合逃げられても深い穴などはほどんど無いので簡単に上がってきます。
何が釣れるかのお楽しみ要素が高いのもスロープからの釣りの魅力だと思いますので、船や根掛りに気をつけて魚を釣りましょう!
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